旧川越藩御用達の銘菓子店、『亀屋』さんへ行ってみました。リーマンショック、東日本大震災、そしてこのコロナ騒動で、日本中が閉塞感に包まれる中、小江戸の街と呼ばれる川越は、ひっそりとその歴史を刻んでおりました。

 

 

「菓子屋横丁」としても最近、川越は知られるようになりましたが写真のように、数百年続く蔵作りとしても有名な街です。歴史とともに時を刻んできたこの街の一角に、天明三年(1783年)創業の銘菓子店『亀屋』さんがあります。約240年前の江戸時代に創業されたようですが、お店の方のお話では、「文献として残っている歴史は約240年ですが、実際にはもっと歴史が古いようです」とのことでした。

 

 

この銘菓子店『亀屋』さんの和菓子は、旧川越藩御用達としても名高く、店頭にあった草餅を早速頂きました。口に含むと、しばらくしてその味に驚いてしまいました。今まで、小生が頂いた和菓子の中では群を抜いて美味しかったことだけではありません。美味しさの中に「一味」、不思議な美味しさが織りなされていることに気付いたのです。一言で表現するなら、「240年の作る想いが、練り込まれているお味」が正しい表現ではないでしょうか。ただ、驚きの一言です。(*店内撮影は許可が必要になります。亀屋様にはご協力頂き、感謝申し上げます)

 

 

ガラスケースの中で、色とりどりの和菓子が出迎えてくれます。日本文化の一つでもある和菓子。世界で最も繊細で、前衛芸術と呼ぶにふさわしいこの銘菓子は、人の心に「和やかさ」を運んできてくれるようです。埼玉に来られた際は是非一度、歴史とともに出迎えてくれる川越の街、その一角に佇む『亀屋』さんに立ち寄ってみては如何でしょう。近年日本では、「歴史の重み」、「歴史の大切さ」が失われつつあるようです。クリック一つで好きなものを運んできてくれる。ですが、この銘菓子は、たった一年、十年で完成されるものではありません。240年失うことがなくその意思が引き継がれて成し得た、極の銘菓子と言えるものでしょう。『亀屋』さんには、今後千年、万年、栄えて頂きたいものです。