脳室周囲白質軟化症(PVL) /

脳室周囲白質軟化症(PVL)

令和3年7月大和鍼灸院・院長 横内 徹 作成

脳室周囲白質軟化症(PVL)

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脳室周囲白質軟化症(PVL)って何だろう?

脳室周囲白質軟化症

脳室周囲白質軟化症(PVL)について、学術的な解説や専門用語ばかりを目にする機会が多いのではないでしょうか。脳室周囲白質軟化症(以後、PVL)という疾患は、脳の中で一体何が起きて様々な症状が出て来るのでしょう。ここでは、出来るだけ分かり易い形でお話をしていきたいと思います。PVLは妊娠後期(妊娠24週~36週)に発生する病気です。言い換えれば、この妊娠24週~36週は白質が育っていく大切な期間とも言えるでしょう。ですが何故、「白質」が軟化して障害を受けてしまうのか。それは、脳の血流障害をこの時期に受けてしまうからです。多くの場合、お腹の中にいる時に、胎盤やへその緒などの血管が圧迫されたことによって、脳内に運ばれる血液の量が減ってしまうために、白質の栄養素や酸素が不十分となり、障害(軟化)が発生してしまうのです。それでも胎児は良く動くものです、胎盤やへその緒などへの圧迫がずっと続くものではありません。脳神経の他の部分が影響を受けるわけではなくまた、心音も正常です。障害を受けていない胎児とほぼ同じように、体内で育っているため、尚のこと発見しずらいこともあるでしょう。(*血流障害の原因が、その他のケースも若干あります。*妊娠24週以前の出生など)

出生前、出生後に病院でPVLと診断を受けるケースが多いのですが、見落とされてしまう場合も多いことが現状です。PVLではない原因の脳性麻痺ではどうでしょう。通常、脳性麻痺が出現する場合、異常所見が胎児期や出産直後に必ず現れます。脳波異常(てんかん)があるときなどは痙攣を起こしたり、脳出血が起こる場合、呼吸や血圧が急変し、虚血性脳症では心肺の停止や、その他の異常所見が必ず現れます。ですがPVLの場合、障害は出産後しばらくたってから徐々に現れるものなので、胎児期、出産直後に顕著な病変が起こらず、見落とされてしまうことがあります。出産時に病院からは何も言われなかった。お話が無かったけれども、発育過程で「かかとの硬さ」が気になる、「首すわり」が随分遅い、時期が過ぎても「寝返り」をしないといった場合、PVLであることが疑われます。


障害を受けるところ

脳室周囲白質には、運動神経路や視神経路が走行しているため、手や足、体幹などに過緊張が発生したり、視覚の障害が出てくるケースが多いでしょう。軽い場合は足先が内転する、かかとが浮いてしまうといった症状が出現します。重くなるとそれらに加え、股関節の硬さから足がクロスする、痙直型両麻痺(両足が突っ張ってしまう)の出現、手の親指が内に入ってしまったり、手や腕が内転する。腕を巻き込むように体幹に入ってしまい外へ出なくなる、といった運動障害が出てきます。

視覚障害では、「目で見て理解する感覚」や「空間認知(物の形や大きさなどを理解する能力)」に問題が発生することがあります。また、視力低下や斜視が起こることもあります。


脳室周囲白質軟化症(PVL)が、他の脳性麻痺とは異なっているところ

「脳性麻痺」と言われる障害では、その原因となるものが何かが、大きなポイントになってきます。原因が「頭蓋内出血(脳室上衣下出血)」や「急性脳症」であったり、「ウエスト症候群(てんかん)」や「新生児仮死(数分以上の呼吸停止)」などだけでなく、脈管系疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患などが原因で脳性麻痺を起こすこともあります。これらが原因で脳性麻痺が起こった場合、著しい運動障害が出現します。また、知的能力も大きくダメージを受けることが殆どと言っても良いでしょう。それらが原因で起こった脳性麻痺では「寝たまま動けない」といった運動障害のレベルが多いことも挙げられます。 PVLではどうでしょう。総体的に言えば、重いケースもありますが「独歩が出来る」軽い症状しか出ない場合や、立位時はかかとがちゃんと着くけれど、歩き始めるとかかとだけが浮いてしまったり、ズリバイで移動が出来るといったレベルのものもあります。ですがPVL以外の脳性麻痺の殆どは、「立つ」、「歩く」、「自力での移動が出来る」といったレベルは起こりえず、重篤な症状を呈するものが非常に多いことが現状です。また、知的能力の領域ではどうでしょう。PVL以外の脳性麻痺ではやはり、どの疾患も「著しい知的障害を受ける」ことが殆どです。ですがPVLでは、「知的能力は殆ど影響を受けない」ことも大きな特徴です。(*非常に重いレベルでは、知的障害も出現します)

PVLは正に、「注目すべき脳性麻痺」と言えるのではないでしょうか。PVLが、顕著な回復をし続けていく理由は、上記のような理由もあるのかも知れません。


脳性麻痺の現状

現在、PVLに限らず脳性麻痺の殆どは、医学界ではなすすべが無く、病院でのPT、OT、リハビリを行っても症状の進行は止まることは殆どありません。手や足、体幹、股関節などで起こる緊張は、少しづつ強まって行くのが現状です。ですが諦めることはありません。当院ではPVLだけでなく、様々な小児脳性麻痺、合併症を伴うもの、その他の疾患においても大変喜ばしい成果を上げております。


 

機能獲得トレーニングの実施

当院実施の機能トレーニングは、「治療後、体内で起こっている過緊張が消失していく」直後に行うため、寝返り、ズリバイ、ハイハイ、お座り、つかまり立ちなどが比較的早い段階で出現します(*特に、0才時から治療開始の場合)。当院担当先生が、親御さんと一緒に行いますので、親御さんも同時に習得できご自宅でも出来るようになります。


 

 

脳性麻痺の運動障害について

出生後の運動障害(PVL)について

出生してからの運動障害(過緊張)について触れておきましょう。出生して間もない1ヶ月、2ヶ月目ぐらいまでは、目立った硬さは分からないことが多いでしょう。緊張が強く出ている場合では、3~4ヶ月目あたりから硬さが目立ち始める時期です。その後1ヶ月単位で様々な過緊張が徐々に出現してきます。症状の軽度~重度によって、出現する時期や緊張の種類が異なってきますが、概ね標準値を、以下に記しますのでご参照下さい。


 

*正しい発達(標準)の目安

3~4ヶ月 触れたものをつかむ、首すわり
5~7ヶ月 寝返り、お座り
8~10ヶ月  ハイハイ、つかまり立ち
10~12ヶ月 伝え歩き、一人歩きの始まり

運動障害(PVL)の出現目安

3~4ヶ月

手をグーにすると、親指だけ中に入っている
足を動かすときによく尖足(足をぴんと伸ばす)になる
仰向けで膝を曲げ、両足を開こうとすると硬さが目立つ
首すわりが遅い
触れたものをつかめない(手がグーになりっぱなしで、手が開かない)

5~7ヶ月

3~4ヶ月の緊張が徐々に強くなる
足先だけでなく足全体がピンと伸ばしっぱなしになる
手を動かそうとすると、内転(内側へ回る)する
足先が内転する(足先が内側へ向く)
寝返り、お座りが出来ない

8~10ヶ月

上記の緊張が徐々に強くなる
足がピンと伸びたままクロスする
全身の硬さが目立ち始める
ズリバイをする(*健常児の場合、出現しません)
ハイハイ、つかまり立ちが出来ない

10~12ヶ月

全身各部位の緊張が強まっていく
背中をそり返す

運動障害の種類や内容は、軽度~重度のものを挙げておきました。お子さんによってはその他にも、動き自体が弱々しく、緊張よりも弛緩(力が入らない)する動きが特徴の場合があったり、白質の形成過程で左右差があり、片側だけ硬さが目立ったり、逆に弱かったりすることもあり、上記以外の運動障害が出てくる場合もあります。

運動障害(緊張)がいつ出てくるのか、またどの様な種類のものが出現するのか、初めから分かっていれば、早期に対応することができ緊張は徐々に消失していきます。緊張の軽度~重度、症状の出方はお子さんによってかなり異なってきますので、早めにご受診されることをお勧めしています。

 

 

PVL・症状診断について

PVL・症状診断についてご案内致します。「PVL」についてのお問い合わせが非常に多く、また、お子さんの症状について、親御さんからのご説明が文章では十分に伝わりにくいケースが多いことから、令和3年10月より、「お子さんの動画」を送って頂き当院・院長より直接診断して頂きます(記録動画時間:約30秒~1、2分程度まで)。

この「動画診断」については、当院受診希望のある方、又は検討中の方に限らせて頂き、1回のみの診断とさせて頂きます。診断結果、今後予想されること(予後)や当院の治療効果について説明致します。また、可能な場合は「グレード1~6」、「グレード7以上」の診断もする場合がございます。(*出生後6ヶ月未満のお子さんの場合、緊張が十分に出きっていないことが多いため、グレード表記が出来ない場合もあります)。

お子さんの情報では1.「出生時体重」、2.「出生後月齢」3.「合併症の有無」は必須となります。また、「修正~ヶ月」表記は参考にならないため、必ず「出生後~ヶ月」とご明記下さい。

申し込み方法

「お問い合わせ」ホームより、必要事項を記入の上、「動画診断希望」とご明記下さい。折り返し、動画添付用のアドレスを返信致します。お送りしたアドレスにお子さんの動画を添付(情報量が大きすぎ、添付できない場合、画像が多少荒くなっても構いませんので、バイト数を下げてお送り下さい)して頂きお送り下さい。後日院長からの診断を送らせて頂きます。

 

 

脳室周囲白質軟化症(PVL)

PVLの根本的な回復は、西洋医学の性質上困難であった背景

近年まで小児疾患の対応は、応急措置や手術、出生後の徹底した医学的、衛生的管理を含め正に日本の医学は、世界トップ水準であることは明らかでしょう。殊に小児科医、NICU勤務医の小児に掛ける熱意やご尽力は、良く知られる通りです。現在までの西洋医学の特徴は、1.「手術」、2.「投薬療法」、3.「PT,OT,ST等の補助療法」といった領域を得意とするのが特徴となります。従って、原因となる病巣「白質自体」に直接働きかけることや、「薬の効果(一時的に作用するのみ)/ボトックス等」を利用しないで、「筋の過緊張を消失させる」ことは得意としません。また、今日まで小児脳性麻痺児に係る「回復させるための領域」では広く知られるように、PT(理学療法)、OT(作業療法)、ST(言語聴覚療法)が多くの医療機関で採用、実施されております。PT、OT、STの発祥は欧米からのもので、日本医学界は欧米諸国に準拠した療法を採用しているといった歴史を持ちます。この様な背景から、PVL(脳室周囲白質軟化症)の原因である「白質」自体への直接的な働き掛けや、「白質」に作用しながら「知的障害の回復」、「過緊張の消失」といった治療法は、西洋医学界では未だ確立されていませんでした。

PVL(脳室周囲白質軟化症)治療、正常化へ向けての医学理論と鍼技術の革命

東西医学において、「知的障害」及び「運動障害」を伴う小児を、「脳性麻痺」、「広汎性発達障害」、「精神発達遅滞」と、おおむねこの3つの用語を、特に病院では使っております。「脳性麻痺」となってしまう「原因」としては、「てんかん発作」、「出生時仮死」、「脳膜炎」、「くも膜下出血」、「重症黄疸」、「先天性代謝異常」、「遺伝性疾患」、「水頭症」、「滑脳症」、「列脳症」、「レット症候群」、「先天性大脳白質形成不全症」~中略、など原因となる種類は膨大な数に及びます。その膨大な数の中の1つに「脳室周囲白質軟化症(PVL)」が存在します。上記に挙げた原因はどれも難治性であり、また、発症する症状に「知的障害」及び「運動障害」など、多くの共通点が存在することから、西洋医学界では今日も尚、「原因となる病名」より、大きなくくりとして「脳性麻痺」と呼んでおります。

この様な医学的背景から何故、PVL児への治療法が可能で、出生後の「知的障害」及び「運動障害」が全て消失してしまうのか。その理論的根拠は正に「白質のみ」が、脳性麻痺に関与しているのか、その他の部位が原因だったり、「損傷しているのか」が、決定的な焦点部分となります。PVL(脳室周囲白質軟化症)治療において「白質の再形成(再成長)」は医学界では賛否両論ありますが、「白質」は「新生(新たに生まれる)」可能な神経組織であること。そしてその「新生」させることが出来る「医学技術」がようやく、当院で完成したため、「完治レベル」の道が日本史上初めて、実現したのです(平成18年5月、「完治レベル」を発表)。更に2つ目の大きな課題は「出生後の知的障害、運動障害を完全消失させる」ことです。この点も厳密な医学的精査、検証、結果を踏まえ、通常治療だけでも「完治レベル」は可能ではありましたが、対象年齢は当初「3才前後まで」を表記しておりましたが、「3週間特別治療」の導入が決定して以来、「完治率の質の向上」が獲得できたため、「完治レベル」をお約束できる対象年齢を3才までではなく、8才まで大きく引き上げました。

またこの度、当院独自の治療結果から得られた、多くのデータより算出した評価表、「PVL(脳室周囲白質軟化症)・大和スケール」が完成しました。全国で「PVL(脳室周囲白質軟化症)」とお子さんが病院で診断を受けた際、当院作成の「PVL(脳室周囲白質軟化症)・大和スケール」がお役に立ちます。「うちの子は、片足だけ踵が浮いてしまう」、「娘は両方の踵が浮き、知的障害もあるけれど」など、様々な症状の差や重さの違いがお子さんに出てきますが、「PVL(脳室周囲白質軟化症)・大和スケール」グレード1~10を指標に、お子さんの症状をご確認頂けます。

 

ここからは詳細解説になるのでご関心のある方のみご覧ください。

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