PVL/脳室周囲白質軟化症 治療前・治療後の最新動画 レポート11
レポート1~4までは、PVL(脳室周囲白質軟化症)当院の指標、PVL/大和スケール・グレード3を軸に公開致しました。グレード3は様々な緊張はあるものの、「独歩が出来る」お子さんのグループになります。緊張、運動障害の出方がはっきりしており、また軽度グループなので、治療効果の変化が大きく出やすく、分かり易いグループになります。参考までに下記に、グレード1~3、グレード4~6、グレード7、8、グレード9、10を掲載します。
- グレード1~3 軽度であり、かかとが浮いてしまう、足先が内転するなど、様々な緊張や硬さといった麻痺はあるものの、自身での立位、独歩が出来る。
- グレード4~6 やや重い運動障害や若干の知的障害を伴う場合がある。自身での立位不可、独歩不可。全身各所の筋の過緊張が強く出ており、足がクロスする。
- グレード7、8 出生時体重500g以下で予後不良、または新生児仮死などの合併症をわずかながら伴うグループ。かなり重い運動障害や知的障害がある。自身での立位不可、独歩不可。グレード4~6よりも一段と全身の過緊張が強く出る。
- グレード9、10 最重度の運動障害、知的障害がある。3才になっても寝返り不可、移動不可、視力0で、治療効果が大変出にくいタイプ。
独歩が出来るタイプのお子さん方は、治療期間が最も早く終了するタイプですので、
独歩が出来るお子さんがいらっしゃる方は、早期に治療を行った方が良いでしょう。レポート4までは、分かり易い変化をする、独歩が出来る軽度グループを先行して公開致しました。さて、準備が整ってきましたのでこれより、やや重いグループ、グレード4~6をしばらく公開致します。今しばらくお待ち下さい。
レポート11
K.Iちゃん 初診:令和2年2月9日 3才0ヶ月 通常治療、*途中、3日間特別治療実施
医師から言われた言葉
医師から「骨に異常はない為、経過観察しましょう」と言われましたが、診断に納得ができず、大きな病院で整形外科と神経内科を受診し、MRI検査の結果、「脳内周囲白質軟化症(PVL)」と診断されました。 良くなる事もないが、悪くなる事もないと言われ、落ち込みました。ただただ信じられず、 単に足の筋肉量が少ないから足を引きずっているのではないか、年齢を重ねれば普通に歩けるのではないかと素直に受け入れる事が出来ませんでした。
成長の記録
33 週 1,506g で出生、合併症なし。 平均的な月齢で首の座り、ハイハイ、掴まり立ち、歩行と成長をとげ、1 歳で保育園に入園 しました。当時の担任から左足を引きずって歩いているので、病院で受診された方が良いと言われ、複数の病院で診察を受けました。
保育士から指摘され、初めて気づいた足の引きずりに加え、左足の過度な緊張(何かに集中している時)、右足かかとの浮きなどが表面化し、医師の指示で作業療法(OT)による月に 1 度のリハビリを行っていましたが、効果がでないまま半年以上が経過しました。自宅で滑り台を購入し、下から登る練習や、左足の指でモノを掴む練習などを行いましたが顕著な改善は見られませんでした。 保育園では友達の歩行スピードが合わない為、友達より歩く・走るのが遅い事や、ジャンプするなど体を動かす遊びに参加できないなど悔しい思いをしてきたと思います。
PVL/脳室周囲白質軟化症動画1 令和3年(2021年) 6月5日公開
お母様からのコメント
PVL と診断されてから、ネットで PVL を検索しても「難しい論文」や「治る保証はない」、「治療法が無い」などがヒットし、改善に繋がる有意義な情報が得られない日々を過ごしていたところ、大和鍼灸院で「PVLに特化した治療法で就学時検査の異常所見なしの実績あり」 の記事を見つけました。 東洋医学に今まで接点がなく疑心暗鬼でしたが、「藁にもすがる思い」で受診を決意しました。週に 1 回の通院で効果が徐々に発揮し、左足の引きずりや、左足の過度な緊張、右足かかとの浮きは緩やかに頻度が減少し、通院して1年程でほとんど発生しなくなりました。 今では走ったり、ジャンプしたりして狭い我が家を走り回っています。 PVL のお子様で不安を抱いていられる保護者の方に早く大和鍼灸院と出会えることを切に願っています。
院長コメント K.Iちゃん PVL(脳室周囲白質軟化症)グレード3
K.Iちゃん、ご卒業おめでとうございます。K.Iちゃんは令和3年4月をもって治療を終了致しましたが、動画公開にご協力頂けることとなりましたので公開致します(お父さん、お母さん、お力添えを頂き深く感謝申し上げます)。K.Iちゃんは「独歩が出来る」グレード3ですが、かかとの状態や症状の質の軽さから「3週間特別治療」を実施せず、「通常治療」のみで足の運動障害は全て取り除けると判断致しました。動画は2本入っており、前半は治療を開始して約2ヶ月後に撮影されたものです。まだ治療効果は大きく反映されておりませんが、「通常治療」を毎週1回のペースでご受診されたケースとなります。「かかとの緊張」が消失する場合、すぐにかかとが地面に着く場合と、徐々に着いていく場合など、個人差(麻痺の状態の違い)はありますが、最終的には必ず麻痺は取り除かれていきます。動画後半は約1年後の状態です。カメラを向けられているせいか、始めはぎこちない動きですが、次第にスタスタ歩いたり、かかとを着けてしゃがんだりして、綺麗な歩行となっていますね。興奮したり、早足になってもかかとはちゃんと着いており、今後はもう上がることはないでしょう。良かったですね。