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免疫系は全ての最上位指揮官(専門家向け)

人類は、他の生物、動物と共に自然環境の中を生き抜き、300万年の歳月を乗り越えてきました。猛暑、寒波、飢餓、絶え間なく襲ってくる環境変化。どうやって人類は、過酷な環境の中を乗り越えることが出来たのでしょう。他の動物達は皆、人類とは異なった乗り越える武器を持っています。ヒグマの腕力と爪、アザラシのエネルギー源「脂肪」、はるか上空から獲物を見分ける鳥類の目。それら動物と比較した時、脆弱とも思える人体には、どの様な能力が備わっているのでしょう。

人体には、実に様々な細胞や器官、神経系が存在し、動物の中では最も複雑な構造や働きを備えています。現在まで一般的には、「脳神経」が人体にとって最も大切な存在だと思われていました。果たしてそれは本当の話なのでしょうか。医学界の中で、バイオテクノロジー、最先進医療、自然界には存在しない化学物質で作られた薬、遺伝子操作で病気や人体をコントロール(支配)する欧米医学に日本は何の躊躇もせずに突き進んでいます。ですが医学界でも異議を唱える組織やグループ、個人の医師がおります。その1つに「日本免疫学会」で活躍された、新潟大学医学博士(医師)・安保徹(あぼとおる)先生がいらっしゃいます。安保先生は常日頃から「免疫系の力」を訴えており、「薬」を飲まずに病気が治るシステムが人体には備わっている事を強調されております。

さて、人体にとって「脳神経(大脳)」は本当に最も優れた組織なのでしょうか。それはどうやら違うようです。当院では、様々な真実が臨床現場で起こります。体内で起こる「病気」に対して、当院で最重要視しているのは「免疫系」と「自律神経」の2つです。当院で対応している疾患の1つ、「PVL(脳性麻痺)」が治る過程で、不思議な出来事が起こります。その例を挙げてみましょう。ここに登場するPVLの子供を、仮にA君と呼びましょう。A君は5才になって麻痺が全て取れ、綺麗に歩けるようになり、今ではジャンプも駆けっこも上手に出来るようになり、お父さんお母さんも大喜びしていました。走れるようになって早3ヶ月が過ぎ、突如インフルエンザに掛かってしまいました。するとお母さんから電話があり、風邪を引いてから突然「かかとがピンと浮いてしまい、かかとが地面に着かない、どうしたら良いのでしょう」と慌てた様子。私は「数日後には、元の安定した状態に戻りますし、あと3~4ヶ月もすれば風邪を引いても生涯、かかとが浮くことはありません」とお返事をしました。数日後治療に来られたA君のお母さんはホッとした様子で、「風邪が治った翌日には、かかとはちゃんと着いて、元通りに治っていました。先生、一体何が起こったのですか」と聞かれることがありました。正にこの現象が、決定的ともいえる真実の出来事です。「脳神経(大脳)」、「免疫系」、「自律神経」の存在。そしてこの3者は、どの様な能力を秘めているのでしょう。

PVLの患者さんで、殆ど治っている段階のお子さん方の約半数は、インフルエンザなどの風邪を引くと、上記と同様の現象が起こります。脳神経・白質部から正しい情報が送られ、今までかかとがちゃんと着く動きが出来ていたのに、何故風邪を引いた時、この奇妙な現象が起こるのでしょう。

神経系の伝達経路は、完全に治るまではまだ「脆弱性」があり、正しい情報の伝達が阻害されることがありますが、上記の様なことはまず起こりません。ですが「風邪」といった、誰でも知っている、また「すぐに治る病気」と思われているレベルのものなのに、どうしてこの様な不思議なことが起こるのでしょう。その理由は「免疫系」が深く係わっているからです。

ここで、風邪には2つのタイプがあることを知っておきましょう。一般的な「感冒」と言われ、熱が37°~38°位までしか発熱しないものは、普通の風邪で、治りも早いタイプです。もう1つは、熱が38.5°以上必ず上がり、通常39°~40°(稀に41°代まで)代の熱が出るものが、「インフルエンザ」タイプのもので、治りにくいものになります。「感冒」と言われる普通の風邪は、体内に「細菌(菌類)」、「ばい菌」が繁殖した時に起こり、後者は「ウイルス」が繁殖した時に起こるものです。普通の風邪は、毒性が弱い「細菌」レベルの感染なので、体内免疫系の常在免疫、NK細胞、単球(マクロファージ)等が働き、治ってしまいます。ですが「ウイルス」といったものは毒性が非常に強く、繁殖スピードも高いため高熱となり、通常の免疫系では「生命の危機」に直面してしまいます。そこで「獲得免疫系」と称される、Tリンパ球、Bリンパ球が動員されます。「ウイルス」は一般の方には想像できない程、毒性が強く、あっという間に数千、数万個に数を増やし、体内に毒をばら撒いて健全な体内組織を攻撃し続けます。迎え撃つ「獲得免疫系」の働きを見てみましょう。体内に「ウイルス」が侵入した時、まずは抗原提示細胞(樹状細胞)が接近してウイルスに接触します。毒素が強い抗原と認識するとすぐに「Tリンパ球」へ信号を送り、Tリンパ球は活性化し「ヘルパーT細胞」、「キラーT細胞」、「サプレッサーT細胞」、「長期滞在型記憶T細胞」、「リフォカイン」などを放出し、強力な迎撃態勢を敷き増殖する「ウイルス」に立ち向かいます。そして「ウイルス」の毒素、繁殖スピードが想定以上に速い時、「Tリンパ球」は即座に「Bリンパ球」に信号を送り、「Bリンパ球」が応援部隊として立ち上がります。信号を受け取った「Bリンパ球」部隊は、自身を「活性Bリンパ球」へと変身させ、同時に数万個に及ぶ免疫グロブリン「Ig.E」を体内に放出。個々の「Ig.E」は警察官の様な存在で、一人のIg.E警官は、1つのウイルスを逮捕し連行して行きます。連行先で待ち受ける存在が「マスト(肥満)細胞」と呼ばれる施設で、連行されたウイルスは全員「マスト細胞」に取り込まれ、処分されます。そして次第に熱がおさまって風邪は治っていくのです。

「免疫系」ってすごい能力を持っているのですね。さて、ここからが注目点になります。PVLのA君が、「ウイルス」レベルの風邪を引いた時、「かかと」がピンと浮いてしまいました。この時体内では一体何が起きているのでしょう。上記に、神経系は完全に治るまでは「脆弱性」を持っていて、「情報伝達が阻害」されるお話をしました。そして「ウイルス感染」をした時、体内環境は「生命の危機」の状態となっています。実は体内環境が、「生命の危機」になった時、突如救急車が出現し体内中に緊急サイレンが鳴り響くとお考え下さい。「免疫系」からのサイレンが鳴り響いた時、あらゆる「伝達路」は「免疫系」の指令を受け、「脳神経の指示」を無視し、「免疫系」総司令部の指示に従って動き出す様です。完全に出来上がっていない白質からの神経系も「大脳の指示」に従わず、一部「免疫系」総司令部の指示に従い、「免疫系」の補佐として、情報伝達を手伝ったため、その数日間のみ、「かかとが浮く」現象が発生したのです。続いて、「脳神経」と、「自律神経」の謎を解明してみたいと思います。

「脳神経(大脳)」って、頭の中にあり、人体では最も高い位置にあるためか、一般的には人体の中で、「無くてはならないもの」、「最も優れた細胞」と皆さんは考えてしまうでしょう。ですが、「難病」の最前線にいると、そうではない考えが良く浮かんできます。何故かと言えば、「PVLのかかとが浮く」現象同様に、「脳神経は親分ではない」ことを証明するかのような治療結果が、次々に起こってくるからです。ここで、「脳神経」の働きを見てみましょう。

脳には、言葉を担当する「言語野(左側頭葉)」、記憶を担当する「海馬(短期記憶)」、「側頭連合野(長期記憶)」、視床下部には様々な神経核があり、「摂食中枢」を担当する視床下部外側野、「満腹中枢」には視床下部腹内側核が存在します。右手を動かす、両足で歩くなどの運動は、「頭頂葉」、「頭頂前野」の神経群が担当します。ここで、面白い発見をします。脳には、「言葉を話す」専門の神経は居ます。「記憶して覚える」専門の神経も居ます。「食べること」の専門神経、手足を動かす専門の神経群。よくよく考えると、日常生活に必要な「個々の働き」についての、各専門神経しか存在していない点です。実は、最も優れているかのように見えた「脳神経」の実態は、高度ではありますが、「各専門神経の集合場所」にしか過ぎないということです。それを裏付ける決定的根拠は、体内環境が「生命の危機」の状態になった時、現れます。人類が300万年生き永らえることが出来た最大の課題は、「言葉を話す」ことでも「記憶して覚えること」でもなく、または「食べること」や「手足を動かす」事でもありません。言葉を一日話さなくても、記憶することを2~3日止めても「命に係わる」ことは何一つ起こりません。「食べること」を一日止めても痩せるだけですし、「手足を動かす」ことを止めても人体には何も起こりません。300万年という歳月を乗り越える時、必ず課題となることは「命の危機」に直面した時が焦点になるのではないでしょうか。そして「ウイルス感染」し、「生命の危機」に直面した時、体内での「指揮権」、命令権を持つ者こそ、脳を含めた人体にとって「本当の最高指揮官」であるということです。ここでは「脳神経」よりも「免疫系」に注目しましょう。「免疫系」には、まだまだ隠された能力が備わっていますが、次に「自律神経」についての謎に迫ってみます。

「自律神経」って聞くと、「自律神経失調症」という言葉や「ストレス」、「心に係る病気」などが思い付くのではないでしょうか。「自律神経」は「眠っている時」に最も活躍する神経系です。「眠っている時」は正に無防備状態です。「生命の危機」に準ずるぐらい危険な状態にさらされる訳ですが、その様な状態時に何故「自律神経」が係わっているのでしょう。

人が眠りに着くとすぐに「自律神経」が、体内の司令官として命令を出し始めます。カロリー消費を最小限に留め、「生命の危機」を回避する体制に作動し始めます。副交感神経を優位にし、呼吸器官でもある食道を収縮させ、最小の呼吸で済むように働き掛けを行います。心臓の心拍数を強制的に下げ、深く、ゆったりとした呼吸へ変換させます。すぐ排尿しないように膀胱括約筋を緩め、尿の貯水量が増えても目覚めないようにし、体を休めようとします。「自律神経」は体内の臓器、器官、血管、内分泌系などほぼ全てに関与し、指令を出し続けます。「ウイルス感染」をした時は「免疫系」が総司令官として「命令権」を持って働き掛けをしていましたが、その時「脳神経」は、ただ傍観しているのみで何の指示、指令も出せませんでした。「眠っている時」は「自律神経」が司令官として体内の全てに指令を出していましたが、この時もまた「脳神経」は、ただ横で傍観するのみであり、何の役にも立っていません。大切な存在という視点で見た時、「脳神経」の順位ってNo1どころか、3番手、4番手なのかも知れません。

ここまで「免疫系」、「自律神経」、「脳神経」の実態について触れてみました。「免疫系」、「自律神経」の隠された能力を明らかにするカギは、「生命の危機」に出会ったとき、その能力の一部を見ることが出来ました。「ウイルス感染」をした際、PVLでかかとがピンと浮いてしまったとき、「免疫系」からの緊急指令で白質伝達路の一部を活用しました。ですがこのままでは「免疫系」、「自律神経」の隠された能力には辿り着けません。そこで今度はズバリ「病気」の観点から「免疫系」、「自律神経」に迫って行きましょう。

「病気」の最大の原因は1つしかありません。何かお分かりになりますか。それは「ストレス」です。現在日本には、余りに多くの種類のある「病気」が急激に増え、各疾患の罹患者数もなぜか右肩上がりで、増えるばかりで一向に減る気配はありません。日本では、栄養不足からくる「脚気」や栄養失調、「塩分過多」による寿命の短さは医学的にどの時代も、わずかに発生します。ですが現在の「難病」の数々、ありとあらゆる疾患の多くは戦後しばらくしてから発生しています。「人体」と「病気」の観点からその原因、「ストレス」が日本全土に発生し、どの様に蔓延して行ったのか検証してみましょう。

家電製品の「三種の神器」と言われる、テレビ、冷蔵庫、洗濯機は、ほぼ同時代に誕生しました。カラーテレビの誕生を基準に各家庭に多く普及したのが1970年代後半位です。コンビニエンスストアの誕生も1970年代で、24時間営業が始まったのが1970年代後半から、年々徐々に全国に広がって行きます。ファミリーレストランの深夜営業や24時間営業。テレビ放送も徐々に深夜放送から今では、ケーブルテレビなどで24時間稼働。パソコンはどうでしょう。効率化、ビジネスに必須と宣伝されて誕生したパソコン。一般社会に大きく普及したのは1990年初頭当たりでしょう。24時間眠らない情報、「インターネット・サービス」が始まったのが1994年です。目を酷使し「情報ツール」、「便利」と称して誕生した「携帯電話」が一般普及し始めたのがやはり、1995年前後、そして「スマホ」が誕生し、大きく普及し始めたのが2010年頃です。さて、ここまで「人体」と「ストレス」に大きく係わっている要素を列記しました。いったい何が「ストレス」と係わっているのでしょう。

24時間眠ることが無くなってきた社会。過剰すぎる電子情報やテレビ放送。深夜、24時間営業するコンビニエンスストアやファミリーレストラン、その他お店の数々。夜、深夜に走る車やトラックの音や様々な騒音。光輝く夜間の照明。24時間手放さないスマホ依存、インターネット情報。目を酷使し、眠る時間を減らしても情報に、画面を見続け、神経と体が酷使されて行く。

 

「病気」の種類と発生人数は面白い位に大都市圏に集中しています。皆さんも良く耳にするでしょう。「病気」や「花粉症」の人が、自然一杯の田舎暮らしを始めたら、「病気が治った」、「花粉症が治った」という話を。万病の始まりは「ストレス」から発生します。現在「ストレス解消」や、「ストレス解消法」といった言葉が良く取り沙汰されております。「ストレス解消」、、、この言葉の由来は欧米からのもので、意図的にこの言葉をばら撒いている様にしか、私には感じられません。その理由は2つあります。「病気」が根本的に治ってしまったら、巨大な富を得ている「製薬会社」産業が大打撃を受けるからです。2つ目は、「ストレス解消」と共に日本ではやっている内容に、大きな欠陥があるからです。「スポーツで良い汗をかいてストレス解消」。「美味しいものを食べてストレス解消」。「楽しいおしゃべりでストレス解消」等。この3つを取り上げると、「健康増進」、「体力をつける」、「気分が爽快になる」は、明るい生活が実現する素晴らしいことです。ですが、「体内環境の理想」や「病気」の観点からすると、半分の大切な要素が欠落しています。他方の半分の要素は何か。それは「癒す」、「回復する」領域が足りません。「元気になる」が正官であれば、「癒す」は副官とも呼べる存在でしょう。その副官の要素を行わなければ、実は「ストレス」は無くならないのです。副官とは正に「自律神経」を指し、その「自律神経」が安定し、「副交感神経」が優位にならないと「ストレス」は全く無くならないのが「体内環境の本質」です。「スポーツ」をすると「交感神経」だけが優位になり、美味しいものを食べても、おしゃべりを楽しんでも、「興奮」するなどの元気な要素しかありません。皆さんは覚えておいて下さい、「ストレス」を体内から排出するカギは、「スッキリ」だけではなく、「ホッとする」ことが必須となります。「ホッと」し、次に「リラックス」状態になることが、「ストレス」消失の、キーワードとなります。「病気」や「花粉症」で田舎暮らしを始めた人が、「病気が治った」、「花粉症が無くなった」最大の理由は、田舎という「自然」環境の中にいて、24時間「ホッと」し続けたからです。「ホッとする」が大きなキーワードになりますので、皆さんはしっかり覚えておきましょう。さて、まとめに入りたいと思います。

自然界の動物達には、「病気」が一切存在ないことをご存知でしたか。怪我や老化からくるものを除いて、全く「病気」は存在していません。何故か人間にのみ発生したり、人間のそばで暮らすペットなどに「病気」は発生しています。田舎暮らしを始めた「花粉症」の人は治ってしまいました。考えてみると、「人間」のみが大きな「ストレス」環境で暮らしていますが、ヒトとペット以外の全ての動物達は、「花粉症」を治してしまった「自然界」で暮らしています。ヒト社会に発生した「クローン病」、「パーキンソン病」、「自閉症」など、今や数百、数千もの病気が発生しています。「自然界」にいる動物達には何故病気が発生しないのでしょう。いや、「病気」が発生しても「花粉症」の人同様に、すぐに治ってしまうのかも知れません。「自然」は動物、ヒトの体内に、どの様な影響力があるのでしょう。結論から言えば、「免疫系」、「自律神経系」の隠された能力を最大限に引き出してくれる作用を持っているからなのではないでしょうか。体内の「病巣」、「外敵」を一蹴する「免疫系」。あらゆる体内組織を正常に修復する能力を持つ「自律神経系」。この2つの指揮官に大きな力を与えれば、自然界の動物達同様、ヒトの病気、病巣も治っていくのではないでしょうか。

現在、人社会には実に多種多様な「病気」が発生しています。ヒトには勿論「免疫系」も「自律神経」もあり、普段正常に機能しています。ですがここで待ったが入ります。「本当に正常に機能しているのでしょうか」。いいえ、機能しておりません。これ程の強い「ストレス」社会化にあっては、「免疫系」も、「自律神経系」も最も力強い状態にはなっていないのです。ですが、「免疫系」、「自律神経系」を最強の状態にする手段が見つかったらどうでしょう。「免疫系」、「自律神経系」の力を呼び覚ますもの。誕生させました。

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