PVL/脳室周囲白質軟化症 レポート13 / 脳室周囲白質軟化症(PVL)の治療ならさいたま市の大和鍼灸院へ

PVL/脳室周囲白質軟化症 レポート13
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PVL/脳室周囲白質軟化症 治療前・治療後の最新動画 レポート13

レポート1~4までは、PVL(脳室周囲白質軟化症)当院の指標、PVL/大和スケール・グレード3を軸に公開致しました。グレード3は様々な緊張はあるものの、「独歩が出来る」お子さんのグループになります。緊張、運動障害の出方がはっきりしており、また軽度グループなので、治療効果の変化が大きく出やすく、分かり易いグループになります。参考までに下記に、グレード1~3、グレード4~6、グレード7、8、グレード9、10を掲載します。

  • グレード1~3 軽度であり、かかとが浮いてしまう、足先が内転するなど、様々な緊張や硬さといった麻痺はあるものの、自身での立位、独歩が出来る。
  • グレード4~6 やや重い運動障害や若干の知的障害を伴う場合がある。自身での立位不可、独歩不可。全身各所の筋の過緊張が強く出ており、足がクロスする。
  • グレード7、8 出生時体重500g以下で予後不良、または新生児仮死などの合併症をわずかながら伴うグループ。かなり重い運動障害や知的障害がある。自身での立位不可、独歩不可。グレード4~6よりも一段と全身の過緊張が強く出る。
  • グレード9、10 最重度の運動障害、知的障害がある。3才になっても寝返り不可、移動不可、視力0で、治療効果が大変出にくいタイプ。

独歩が出来るタイプのお子さん方は、治療期間が最も早く終了するタイプですので、
独歩が出来るお子さんがいらっしゃる方は、早期に治療を行った方が良いでしょう。レポート4までは、分かり易い変化をする、独歩が出来る軽度グループを先行して公開致しました。さて、準備が整ってきましたのでこれより、やや重いグループ、グレード4~6をしばらく公開致します。今しばらくお待ち下さい。

 

レポート13

S.O君 初診: 令和元年10月17日(10ヶ月)

医師から言われた言葉
生後2ヶ月で退院する際のMRI検査で、脳室周囲白質軟化症の疑いがある事と、軽度の方であれば歩くことができるし、重度の方は寝たきりになることがあると説明を受けました。
その後、定期的に検診で通院した際には、おそらく軽度なので歩くことはできるようになると思うけど、歩き方がどのようになるかはわからないとの事でした。

 

成長の記録
28週 1302gで出生
生後8ヶ月 寝返り(左)
生後10ヶ月 寝返り(右)
生後11ヶ月 ずりばい
生後1歳2ヶ月 初めてつかまり立ち
生後1歳6ヶ月 日常的につかまり立ち
生後1歳8ヶ月 ずりばいよりハイハイ増える
生後1歳10ヶ月 伝え歩き

PVL/脳室周囲白質軟化症動画1 令和3年(2021年)11月5日公開

 

 

お母様からのコメント

生後8〜9ヶ月で別の鍼灸院さんへ通いましたが、今後普通に歩くことは難しいと言われました。 その後生後10ヶ月で大和鍼灸院さんに出会い、今まで病院の説明ではよくわからなかったPVLのことや、「十分に回復することは、十分に視野に入ります」との説明をしていただきとても安心しました。 成長のスピードはかなりゆっくりですが、歩く姿を見るのが楽しみです。

 

院長コメント S.O君 PVL(脳室周囲白質軟化症) グレード5 *「低緊張混在タイプ」

レポート13は、グレード5にグループ分けできますが、大変珍しいタイプのお子さんです。親御さんのご協力を頂き、公開させて頂くことになりました。お母さん、どうも有難うございます。

体幹、両下肢、足首等随所に「弛緩」がみられ、緊張が弱いタイプであることは 初診時より見受けられましたが同時に、緊張もはっきり出ている「混在タイプ」のお子さんです。今回の動画は全部で6本入っており、解説を進めながら一緒に診て行きましょう。

1本目は初診当日直前の動きで、殆ど動けない状態です。初診の治療から2~3日後に、左側だけの「寝返り」が右からの寝返りも出来るようになりました。 2本目は初診から約2ヶ月後で、「ズリバイ」が出来るようになり、3本目は「ズリバイ」が早くできるようになった様子です。 4本目は、初診から1年後のもので、綺麗な「ハイハイ」からズリバイの動きをします。そして5本目、1年2ヶ月後の様子です。ハイハイからつかまり立ちをし、そして伝え歩きの様子を解説します。つかまり立ちの時、両足の膝が後方へ側弯して、伝え歩きの時は更にお尻も大きく後ろに突き出ています。この時点では、主たる緊張が殆ど取れており「低緊張」のみが残っている状態です。S.O君は、グレード5の内容であっても「低緊張」も主訴に入る「混在タイプ」であり、珍しいタイプと言えます。ずっと緊張が続く通常のPVLのお子さんは、よく力が入るので筋肉の付き方も比例して早いのですが、「低緊張」があるお子さんは、普段から「力が入りにくい」タイプなので、筋肉の付き方も非常に時間が掛かるケースになります。

6本目です。そうは言っても心配される「過緊張」は殆ど取れています。約2年後の「つかまり立ち」の様子を見てみましょう。段々と腹筋や足の筋肉が正しく発達してきているので、膝が後湾したり、お尻が後ろに突き出ることがかなり無くなり、「正しい立ち方」が出来るようになってきました。まずは一安心のレベルにまで達してきましたね。もう少し頑張りましょう。

PVL/脳室周囲白質軟化症動画2 令和5年(2023年)12月7日公開

院長コメント

さて、約2年が経過しましたが、S.O君のその後になります。今回の動画はやや短めですが、随分正しい動きが出来るようになってきました。前回の動画では、治療開始時は殆どの動きが出来ない状態からスタートしました。治療開始から2年前まではどの様な回復をたどってきたのでしょう。

1. 寝返りが出来るようになる、2.ズリバイが出来るようになる、3.ハイハイが出現、4.つかまり立ちが出来るようになる、5.伝え歩きが出来るようになる、といった経緯で順調に回復してきました。治療開始が早かったせいか、かかとの過緊張は十分に取れ、問題となる「かかとの浮き」が出現することなく回復してきた症例になります。S.O君は標準的な「低緊張」のPVLで、「かかとの緊張」以外の筋力の付き方は、極端にゆっくりとしたことが特徴となります。また「緊張」はかかとや足部に好発することが多いのも特徴です。

今回の動画を見てみましょう。お外でPCウォーカーを使っての歩行となります。前回までの動画では伝え歩きをするときなど、足がぐらぐらして、膝が後弯するいわゆる「反張膝」がずっと続いていました。反張膝は「筋力低下」によってよく出現するものですが、今回の動画では如何でしょう。ところどころわずかに、足のぐらつきや反張膝が見受けられますが、歩行の安定感や力強さは大きくなってきました。現在の状態は、心配される「病的過緊張」は一切消失しており、後は筋力が付くのを待つばかりといったところです。もう少し、「腹筋」、「背筋」、「大腿筋」、「下腿筋」の筋力が付いてくれば、いよいよ「手を放しての歩行」が出現することでしょう。随分長くかかりましたが、ゴールまであと一歩といったところでしょうか。もうすぐだよ、頑張ろう!!

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